八千代市で法人を設立するにあたって、特定創業支援等事業の証明書を使えば登録免許税を軽減できることを知り、実際に自分のケースでどう手続きを進めればよいのか調べている方も多いのではありませんか。この記事では、八千代市でこの登録免許税の軽減を実際に使うための手順と、利用する際に注意しておきたいポイントに絞って整理します。
軽減を受けるまでの大まかな流れ
八千代市の「特定創業支援等事業」を修了するとどんな優遇があるかで軽く触れた通り、八千代市には「特定創業支援等事業」による創業支援の仕組みがあり、この支援を受けたことを市が証明することで、法人設立時の登録免許税が軽減されます。同記事では、この証明書で受けられる優遇の全体像(登録免許税の軽減のほか、信用保証協会の創業関連保証や日本政策金融公庫の特別利率なども対象になります)を紹介しましたが、本記事では、そのうち登録免許税の軽減だけに絞って、実際に会社を設立する場面での使い方を詳しく解説します。八千代市の場合、証明書を取得するまでに次の3つのステップを踏みます。
- 八千代市の商工観光課や八千代商工会議所のワンストップ相談窓口に相談し、創業塾・創業セミナー等を受講する
- 経営・財務・人材育成・販路開拓に関する知識を身につける
- 八千代市から「特定創業支援等事業」による支援を受けたことの証明書を発行してもらう
証明書を取得したら、実際に会社を設立する場面でどう軽減が適用されるのか、次から具体的に見ていきます。
軽減される税率・金額
株式会社・合同会社を設立する際の登録免許税は、通常、資本金の額に0.7%を掛けた金額(最低額あり)ですが、証明書を使うことで、この税率が半分の0.35%に軽減されます。
| 設立形態 | 通常の税率・最低額 | 軽減後の税率・最低額 |
|---|---|---|
| 株式会社 | 資本金の額×0.7%(15万円に満たない場合は1件につき15万円) | 資本金の額×0.35%(7.5万円に満たない場合は1件につき7.5万円) |
| 合同会社 | 資本金の額×0.7%(6万円に満たない場合は1件につき6万円) | 資本金の額×0.35%(3万円に満たない場合は1件につき3万円) |
根拠条文|租税特別措置法第80条第3項(認定創業支援等事業計画に基づく登記の税率の軽減)
要旨:市区町村の認定を受けた創業支援等事業計画に基づく特定創業支援等事業の支援を受けて、その市区町村の区域内で株式会社・合同会社を設立した個人は、登録免許税が軽減された金額(株式会社は資本金×0.35%・最低7万5千円、合同会社は資本金×0.35%・最低3万円)で済むと定められています。
個人が、産業競争力強化法第百二十八条第二項に規定する認定創業支援等事業計画に係る同法第百二十七条第一項又は第百二十八条第一項の認定を受けた市町村(特別区を含む。)の区域内において、当該認定創業支援等事業計画に記載された同法第二条第三十三項に規定する特定創業支援等事業による支援を受けて株式会社又は合同会社の設立をした場合には、当該株式会社又は合同会社の設立の登記に係る登録免許税の額は、財務省令で定めるところにより同法の施行の日から令和九年三月三十一日までの間に登記を受けるものに限り、登録免許税法第九条の規定にかかわらず、次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める金額とする。
一 株式会社 当該株式会社の資本金の額に千分の三・五を乗じて計算した金額(当該金額が七万五千円に満たない場合には、申請件数一件につき七万五千円)
二 合同会社 当該合同会社の資本金の額に千分の三・五を乗じて計算した金額(当該金額が三万円に満たない場合には、申請件数一件につき三万円)
実際にどれくらいの差額になるか、資本金の金額別に見てみます。
| 資本金 | 通常の登録免許税(株式会社) | 軽減後の登録免許税 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 100万円 | 15万円(最低額) | 7.5万円(最低額) | 7.5万円 |
| 3,000万円 | 21万円(3,000万円×0.7%) | 10.5万円(3,000万円×0.35%) | 10.5万円 |
資本金が少額で最低額が適用されるケースでも、資本金が大きく実額で計算されるケースでも、軽減後の金額はちょうど半分になる計算です。
実際に使う際に注意したいポイント
この軽減措置を実際に使う場面では、次の点を見落とさないようにしてください。
証明書は、会社の設立登記をする前に取得しておく必要があります。先に会社を設立してしまってから、後付けで証明書を取得しても、その登記にさかのぼって軽減を適用することはできません。法人化のタイミングが決まっている方は、逆算して創業塾・セミナーの受講や証明書の発行手続きのスケジュールを組む必要があります。
軽減を受けられるのは、証明書を発行した市区町村の区域内で会社を設立する場合に限られます。例えば八千代市から証明書の発行を受けた場合、軽減の対象になるのは八千代市内で会社を設立するケースです。設立場所を他の市区町村に変更する予定がある場合は、この点に注意してください。
また、この軽減措置は時限的な制度であり、産業競争力強化法の施行日から令和9年3月31日までに登記を受けるものに限られます。期限が近づくと制度自体の延長・見直しが行われる可能性もあるため、実際に利用する際は、中小企業庁の公式サイト等で最新の適用期限をご確認ください。
法務局での登記手続きについて
証明書を取得した後は、会社設立の登記を法務局に申請する際に、この証明書を添えることで軽減後の税率が適用されます。登記申請書への具体的な記載方法や添付書類の形式は、法務局や案件によって窓口での確認が必要になることもあるため、会社設立の登記手続きを案内している近くの士業事務所に、早めに確認・相談しておくとスムーズです。司法書士事務所のほか、公認会計士が所属する会計事務所が会社設立支援を扱っている場合もあり、その場合は設立後の会計・税務についても一括して相談できることが多いです。
※会社設立の登記申請の代理は、原則として司法書士(または弁護士)の独占業務です(司法書士法第73条)。公認会計士は、会社の設立そのものを依頼された場合に限り、その付随行為として登記申請書類の作成・申請代理を行うことができるとされていますが(昭和25年7月6日付民事甲第1867号、法務省民事局長回答)、税理士にはこの種の例外はありません。
個人事業主のまま続けるか、法人化するか
登録免許税の軽減はあくまで法人を設立する場合に使える制度であり、個人事業主のままでは対象になりません。そもそも法人化すべきかどうかで迷っている方は、法人と個人事業主、その違いについてもあわせてご覧いただくと、判断の材料になるかと思います。
まとめ
登録免許税の軽減は、証明書を会社設立の登記前に取得しておくこと、証明書を発行した市区町村の区域内で設立すること、そして令和9年3月31日までの時限的な制度であることの3点さえ押さえておけば、資本金額にかかわらず登録免許税をおよそ半分に抑えられる、実務的なメリットの大きい制度です。八千代市で法人化を検討している方は、まずは商工観光課や八千代商工会議所への相談から始めてみてはいかがですか。
